おもてなし上手のテーブル Vol.02 祖父江 加代子さん

暮らし上手、おもてなし上手な方のお宅を実際に訪ねて、季節やオケージョンにあわせた「おもてなしのテーブル」をご提案する連載「おもてなし上手のテーブル」。
季節感あふれるスタイリングやおもてなしのコツなどをご紹介していきます。食卓やテーブルコーディネートの参考になさってください。
Vol.02は、インテリアコーディネーター・テーブルコーディネーターとしてご活躍中の祖父江 加代子さんのお宅を訪問しました。
特集ページの下部に動画もご用意していますので、ぜひ最後までご覧ください。
上巳の節句を祝うテーブル

黒を基調にした品格高いコーディネート
今回祖父江さんが選んだテーブルウェアは、「オリッジ」シリーズと「オマージュ コレクション」シリーズ。
オリッジは窯変の効果を活かしたプリミティブな風合いや質感の変化が印象的で、どんなスタイルにもあわせやすく、料理をドラマチックに引き立ててくれるプロユースでも評判のシリーズです。
オマージュ コレクションは、オールドノリタケの名品よりデザインを起用して現代風にアレンジしたシリーズで、モダンなインテリアにも自然に溶け込みます。
漆黒の折敷とワインクーラーが全体を引き締め、空間全体が凛とした品格ある雰囲気に仕上がります。
川連塗のお銚子と杯は対照的な赤を使用し、上巳の節句を祝うもてなしの心をつたえます。
【コーディネートのPOINT】

コンセプトを考える
コーディネートを考える前に、いつ、だれと、何のために、どのようなお料理を、どんなテーブルウェアでもてなすかをイメージします。
イメージが固まったら、お料理の内容、食器、グラス、小物、テーブルクロス、挿花を考えていきます。
祖父江さんの場合は、コーディネートの前にスケッチを描いて、全体のボリュームや高さ、奥行など、空間全体で捉えていきます。

ラインを美しく
格調高い雰囲気にしたい場合は直線を意識し、エレガントな優しい雰囲気にしたい場合は曲線を意識して並べます。
前後左右のラインを揃えるだけで、テーブルが美しく整った印象になります。
テーブルクロスは皺にならないよう注意します。
アンダークロスを敷くと滑り止めや音を和らげる効果があります。

テーブルに小さなサプライズを
ゲストが席についてワクワクするような小さなサプライズを用意すると、驚きや期待感が生まれて食事が楽しくなります。
今回は「おしながき」をサプライズツールとして使用。ゲストへのメッセージを書き添えて、食前酒用のカップ&ソーサーにふんわりと被せます。
その下に隠されているリキュール漬けの桜の花びらが、ゲストを優しくお迎えするという可愛らしい仕掛けです。

花は種類によってセットするタイミングを変えて
今回はシャンパンクーラーを花器として使用し、テーブルセンターとして中央にセット。
季節の花を選ぶことがポイントで、基本的に花とグラス類は最後にセットします。
花粉が無いもの選ぶか、あらかじめ取っておきますが、ついたままの状態で使用する場合は、先に花を活けてテーブルにセットしておき、食器やグラスに花粉が飛ばないようにします。
お茶会のテーブル

上巳の節句らしい可愛らしさを
お茶会用に選んだテーブルウェアは、オリッジの「水」。オリッジはカラーバリエーションが豊富で、それぞれの色によって合わせ持つ雰囲気が異なります。また、同じプレートでも組み合わせによって幾通りもの演出ができるのが魅力です。
漆器とオリッジの大人っぽさと、ピンクやパステルカラーの和菓子の対比が何とも可愛らしい、計算された大人女子のコーディネートです。
桜餅や花見団子は子供の頃の節句を思い出し、どこか懐かしくてホッとするひとときになります。
【コーディネートのPOINT】

季節感の演出
季節感を出すものは食器、花、小物など様々ありますが、今回、祖父江さんは自身が好きな春の短歌を書にしたためて、テーブルランナーとして使用しました。
ゲストと一緒に春の訪れを感じながら短歌を楽しみ、日本の四季の豊かさを改めて感じる、とても素敵な演出です。
【予告】3月20日開催 節句のおもてなしイベント

3月20日(祝)、祖父江 加代子さんをお迎えして「節句のおもてなしイベント」を開催します。
端午の節句に向けたテーブルコーディネートのデモンストレーションや、ナプキンワーク、おもてなしのコツなどを教わります。
事前予約は不要です。皆さまのご参加をお待ちしております。
場所:ノリタケスクエア名古屋
名古屋市西区則武新町3-1-36(ノリタケの森内)
日時:3月20日(木・祝) 1回目 11:00~ 2回目 14:00~
人数:各回10名~15名程度
お問い合わせ:ノリタケスクエア名古屋 TEL 052-561-7290