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2024.10.09

創立120周年記念特集[第二弾]|オールドノリタケの美意識を受け継ぐ「和花コレクション」

2024年、ノリタケは120周年を迎えました。

白く、美しく、精緻な洋食器を、この日本で作りたい—。
貿易商として日本の骨董や雑貨を輸出していた森村市左衛門らが、パリ万国博覧会で美しく絵付けされたヨーロッパの磁器を目の当たりにし、心に固く誓ったことからノリタケの歴史は始まりました。
1904年、近代的で大規模な工場を建設し、洋食器の研究を開始。試行錯誤ののち、1914年、日本で初めてディナーセットの製造に成功します。
工場建設から120年、日本初のディナーセットの誕生から110年、ノリタケは日本の美意識を活かした精緻なデザインと、世界最高レベルの品質と品格によって、世界中で愛されてきました。

創立当時の本社工場(1904年)
日本初のディナーセット「SEDAN(セダン)」(1914年)

120年にわたる洋食器製造の歴史の中で、ノリタケでは多くのデザインや技法が生み出され、現代に受け継がれています。
「創立120周年記念特集」では、そうしたノリタケの代表作ともいえるシリーズをご紹介していきます。
ノリタケの美意識と職人技の結晶が作り上げたシリーズの数々をお楽しみください。

第二弾としてご紹介するのは、ノリタケミュージアムで大切に保管されている画帖(がじょう)の中から日本の花々をモチーフとした図案を厳選し、現代の感性で蘇らせた「和花コレクション」。
コレクションとして愛でていただける、オールドノリタケの美意識を受け継ぐシリーズです。

オールドノリタケの画帖から図案を厳選

和花コレクション ケーキプレート
モチーフとなったオールドノリタケ画帖

画帖に残されたオールドノリタケの名作の中から日本の花々をモチーフとした図案を厳選し、現代の感性で蘇らせたシリーズ「和花コレクション」。どこかノスタルジーを感じさせる色彩と、華やかな金彩の配色が艶やかなコレクションアイテムです。

画帖について
オールドノリタケと共に創立以来受け継がれてきたもうひとつの宝物、それが画帖(がじょう)のコレクションです。

かつて一枚一枚丁寧に描かれていたデザインスケッチは、後年、画帖と呼ばれる折本として纏められました。第二次世界大戦で多くが被災し灰になってしまいましたが、戦火をかいくぐって残された画帖は、ノリタケミュージアムで大切に保管されています。
カラーコピーはもちろん、カラー写真すらなかった時代に、最終製品の仕上がりを詳細までイメージして描かれた画帖。そこには、色柄はもちろん、盛上げ技法の立体感や金色の輝きまで細やかに表現されています。

所有する喜びを与えてくれる逸品

和花シリーズの原画となったのは、菖蒲、楓、菊、芥子、夕顔といった古来から日本で愛されてきた花々。当時の日本人の美意識の高さと繊細な絵付け技術が偲ばれます。
こうした時代に生まれ、欧米に輸出された製品たちはやがて「オールドノリタケ」と呼ばれるようになり、今現在も熱心なコレクターたちにより蒐集され、大切にされています。

現代の感性で蘇ったオールドノリタケの美。
一枚ずつ、一客ずつ、集めていくほどに満ちていく、ノスタルジーを湛えるコレクション。オリエンタルな魅力と洋食器が融合したこのシリーズには、ノリタケの洗練された美学と哲学が凝縮されています。

日本の花々を華麗に描いた「和花コレクション」

菖蒲(しょうぶ)
楓(かえで)

菖蒲
深紺をベースにした大胆かつ男性的なレイアウトが特徴です。
菖蒲の葉の持つ、直線的なラインが美しさを際立たせています。


古来より和歌などにも歌われ、日本人に愛されてきた楓。
エメラルドグリーンにも似た爽やかな色と、種子を表現したかのような赤の配色は、楓の木立の中から青空を見上げたようにも見え、持つ人の目を楽しませてくれます。

菊(きく)
芥子(けし)


オリーブ色と金加飾を配した窓からは色とりどりの菊の花が彩られ、その背景の朱は手にとる人によって茜色の夕焼けにも、朝焼けにも見えてきます。

芥子
深緑に縁取られた中に咲く芥子の花々。日本には江戸時代に持ち込まれたと言われその頃から観賞用としても愛されていました。花の赤さと深緑のコントラストが美しいデザインです。

夕顔(ゆうがお)

夕顔
緋色にも似た鮮やかな朱、その大胆なレイアウトはクラシックでありながら現代にも通じる完成されたデザインと言えます。上質な時間、上質な空間を思わせるエレガントな一品です。

5種類を並べてご覧いただいた際に、バランスの良い配色である事にもこだわった「和花コレクション」の世界をお楽しみください。

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