コーヒーとスイーツのマリアージュ -WITH SWEETS-
スイーツとコーヒーの相性の良さは誰もが知っていることですが、その組み合わせには多くの発見があります。
例えば、濃厚な味わいのチョコレート系スイーツなら苦味とコクのしっかりしたコーヒーがぴったりだったり、
ドライフルーツやナッツを使ったケーキなら芳醇な香りと程よい酸味を持つコーヒーとの相性が良かったり。
それはもう“マリアージュ..”と呼びたくなるような美しい組み合わせで、五感を愉しませてくれます。
ガトーショコラ × エスプレッソ
しっとり濃厚なブラウニーやガトーショコラには、苦味やコクが引き立つエスプレッソなどがおすすめ。深煎りの苦味がチョコレートの甘みをうまく引き立ててくれます。
ナッツケーキ × ドリップコーヒー
ナッツの香ばしさには、すっきりクリアな味わいが特徴のドリップコーヒーがぴったり。フィナンシェやダックワーズ、ドライフルーツケーキなど、焼き菓子とコーヒーはとっても好相性です。
クリームブリュレ × カプチーノ
濃厚なカスタードとバニラの豊かな香り、カラメルのほろ苦さが魅力のクリームブリュレには、ミルクをたっぷり使ったカプチーノやカフェオレなどがおすすめ。冷たいカスタードとカラメルのほろ苦い甘さには、軽やかな飲み口のコーヒーが良く合います。すっきりとした酸味のドリップコーヒーなどもおすすめです。
和菓子 × コーヒー
上品な甘さの和菓子には、実はコーヒーが良く合います。なかでも香ばしく柔らかい口当たりのコーヒーとはベストマッチ。羊羹や干菓子とコーヒー、大福とコーヒーといった意外な組み合わせも不思議なくらいしっくりきます。
熱いうちはおいしいと思っても、冷めるに従って重たい苦みや渋さを感じたことはありませんか?これは抽出の時に出てしまった雑味成分が、水温が下がると溶けることができずに味わいに影響してくるからです。「欠点豆」が混じっていたり、高温のお湯で時間をかけて抽出したことにより、雑味や渋みが出てしまったなどの原因が考えられます。人の味覚は体温とおなじくらいの時甘味を、冷たいものに酸味を感じやすくなります。
冷めたコーヒーの方が本当の味がわかるとも言えます。冷めても口当たりがよく、クリアなおいしさを保っていれば、そのコーヒーは本物です。本当においしいコーヒーは、温度変化とともに味わいを楽しむことができるのです。コーヒーの味を大切にするカフェなどで、薄手のカップが多いのは、口当たりを考えたカップ選びということもありますが、冷めてもおいしい、品質の良いコーヒーを提供しているということ。薄手のカップは、コーヒーの質に自信がある証拠と言えるかもしれません。
COFFEE HUNTER JOSE KAWASHIMA
コーヒーハンター
川島 良彰 かわしま よしあき
株式会社ミカフェート 代表取締役 社長
日本サステイナブルコーヒー協会 理事長
東京大学コーヒーサロン 共同座長
JAL日本航空コーヒーディレクター
JICA独立行政法人国際協力機構 技術専門委員
カリフォルニア大学デイビス校 コーヒーセンター・アドバイザリー・ボードメンバー
タイ王室メーファールアン財団コーヒーアドバイザー
1956年静岡市に生まれる。生家は珈琲焙煎卸業。コーヒーの香りのなかで幼少期を過ごし、中学生のときには自室でサイフォンコーヒーを淹れていた。高校卒業後、エルサルバドルへ留学したのちエルサルバドル国立コーヒー研究所に入所し、コーヒー栽培・精選技術を習得する。1981年UCC上島珈琲株式会社入社。世界各地の農園開発を手掛け、帰国後、執行役員農事調査室長を務め、2007年同社退社。2008年株式会社MiCafeto(現:株式会社ミカーフェート)を設立。40年にわたり世界のコーヒーに関わり、世界各地からおいしいコーヒーを探し出す世界でもNo.1のコーヒーハンターとして、日本のコーヒーマーケットに革命をもたらしている。
著書に、「私はコーヒーで世界を変えることにした。」(ポプラ社)、「コーヒーハンター」(平凡社)、など。