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2016.12.27

HOW TO DRIP -おいしいコーヒーの淹れ方-

豆の挽き目。抽出器具。お湯の温度。抽出時間。そして味の8割を決める、コーヒー豆という素材との出会い。

良い素材を、その特徴を十分引き出してあげるように、ていねいに仕上げるというと、まるでひとつの料理のようです。
休日にはハンドドリップコーヒーを淹れてみる…。それだけで、時間の流れが変わりはじめます。

コーヒー豆は、焙煎度はもちろんのこと、品質によっても密度が異なります。そのため、計量の際は秤を使って重さではかるのがポイントです。
挽き具合は中~粗挽きがおすすめです。粗さにバラつきの出にくいミルを使用しましょう。

ミカフェートおすすめのレシピ(1杯150cc)
1杯分:豆20g - コーヒー150cc
2杯分:豆36g - コーヒー300cc
3杯分:豆48g - コーヒー450cc

目の細かい茶こしなどを使って粉に含まれる微粉を取り除くと、よりクリアな味になります。

抽出するお湯の温度が高いと苦味が強く出やすいため、沸騰させたお湯を85〜90℃まで下げます。
ミカフェートのおすすめは87℃です。沸騰したお湯を一度サーバーに注いでからドリップポットに移すと90℃前後まで下がります。
お湯の量は、抽出の途中で足りなくならないように多めに用意してください。

挽いた粉をフィルターに入れてドリッパーにセットし、軽く揺すって平らにならします。
やさしくお湯を置くイメージで、粉の中心から円を描くようにお湯を注ぎます。
全体が湿る程度にお湯を注いだら、一度止めて約30秒蒸らします。

お湯が全体に行き渡ると、コーヒー豆に含まれていたガスが外に出る影響で粉全体がふっくらと、チョコレートマフィンのように膨らみます。この膨らみが鮮度の証です。

蒸らしが終わったら、再び中心からお湯を注いでいきます。
この時、蒸らしで膨らんだ粉の高さをキープする事がポイントです。

描く円の大きさを少しずつ大きくしたり小さくしたりしながら、フィルターと接している縁の粉には直接お湯をかけないようにしながら注ぎます。 ドーナッツの穴にお湯を注ぐイメージです。 お湯を注ぐ位置は高くせず、粉に近い位置で注ぐのがおすすめです。 湯面の高さを一定に保つように速さを調整しながら、お好みの量になるまで注ぎ続けます。

お好みの量が抽出できたら、ドリッパーにお湯が残ったままの状態で外します。注ぐお湯の量ではなく、抽出したコーヒーの量をはかることが大切です。
最後にサーバーを軽く回して味を均一にして、温めたカップに注いでお召し上がりください。

COFFEE HUNTER JOSE KAWASHIMA
コーヒーハンター
川島 良彰 かわしま よしあき

株式会社ミカフェート 代表取締役 社長
日本サステイナブルコーヒー協会 理事長
東京大学コーヒーサロン 共同座長
JAL日本航空コーヒーディレクター
JICA独立行政法人国際協力機構 技術専門委員
カリフォルニア大学デイビス校 コーヒーセンター・アドバイザリー・ボードメンバー
タイ王室メーファールアン財団コーヒーアドバイザー

1956年静岡市に生まれる。生家は珈琲焙煎卸業。コーヒーの香りのなかで幼少期を過ごし、中学生のときには自室でサイフォンコーヒーを淹れていた。高校卒業後、エルサルバドルへ留学したのちエルサルバドル国立コーヒー研究所に入所し、コーヒー栽培・精選技術を習得する。1981年UCC上島珈琲株式会社入社。世界各地の農園開発を手掛け、帰国後、執行役員農事調査室長を務め、2007年同社退社。2008年株式会社MiCafeto(現:株式会社ミカーフェート)を設立。40年にわたり世界のコーヒーに関わり、世界各地からおいしいコーヒーを探し出す世界でもNo.1のコーヒーハンターとして、日本のコーヒーマーケットに革命をもたらしている。
著書に、「私はコーヒーで世界を変えることにした。」(ポプラ社)、「コーヒーハンター」(平凡社)、など。